(注)以前書いた「辛」の続きで、帰宅したその夜の話です。かなり爛れたエロスなので、成人されていない方、あるいはエロスが苦手な人は読まないようにお願いします。サクナルです。 買ってきた弁当で夕飯を済ませ、風呂に入り、就寝の準備ができたのは、夜の八時過ぎだった。寝るにはだいぶ早い時間だが、怪我の具合が気になるため、サクラに就寝するよう促した。本人はまだ起きているつもりのようだったが、自分も早めに寝るからと言い聞かせて、サクラを寝室に連れていった。 首元まで布団を引き上げると、治りかけの頬の傷が目に入る。頬に貼っていたガーゼは、風呂に入る前に剥がしていた。ナルトは顔に心配の色が出ないよう細心の注意を払い、サクラの頭を軽く撫でる。 「何かあったら、すぐ呼んで」 そう言い残してベッドに背を向ける。すると、右手をそっと掴まれた。 「ん?どした?」 どこか痛むのだろうか。ベッドの端に腰をかけ、サクラの顔を覗きこむ。潤んだ瞳がナルトを見た。 「隣、来て」 添い寝とは、ずいぶん可愛いことをねだるものだ。ナルトは頬を緩ませて、隣に潜り込む。右腕をサクラの首の後ろに滑り込ませ、軽く身体を抱き寄せたところで、唇に柔らかな感触が重ねられた。そのまましばらく触れ合っていたが、傷にさわるといけないので身体を離し、小さな子供をあやすようにサクラの背を軽くさすった。 「はいはい、もう寝ますよ」 「今日は、しないの?」 「……しない」 「どうして?」 「どうしてって……あのね、怪我人相手に欲情すんのは変態だけだって」 「じゃあ、その気にさせるからいい」 「え?ちょっ、待っ」 Tシャツの下に、右の手のひらが滑り込んでくる。すべらかなその感触は、任務直前からきつく蓋をしていた感情を揺り起こした。ナルトの腹や脇を撫で回し、Tシャツの裾を持ち上げると、胸に小さな口付けを繰り返す。 「なあ、今日はっ……!」 言葉は途中で奪われる。下穿きの中に手を突っ込まれ、硬くなりつつある竿を手のひらで包まれた。急所とはよく言ったもので、触れられたら最後、抗えなくなる。 「サクラちゃん、勘弁してよ……」 「やだ」 みっともないことだが、柔らかな手に包まれるだけで、みるみるうちに竿は膨張する。首に吸い付く舌の感触に、もっと触れてくれと身体が叫ぶ。 相手は退院したばかりの怪我人。普段以上に優しくしないと怪我を悪化させるだけだとわかっている。しかしこちらは任務を終えた直後だ。正直に言えば溜まっているし、荒ぶった感情が生のまま残っている。自制していた分、箍が外れてしまえば、反動が大きくなるのは道理だ。優しくできる要素はどこにも見当たらない。 どれだけ懇願してもサクラは引く気がないらしく、あっさりと下穿きを取り払われた。口付けは首から胸、腹と徐々に下りていき、竿の先端に到達する。綺麗とはとても言えない場所を舌や指で愛撫する様が愛しくて、サクラの髪をそっと梳く。上体を少し起こせば、裏筋を赤い舌が這っていた。口内に竿を突っ込みたくなる衝動を無理やりねじ伏せ、ナルトは言う。 「あのさ、今日は口でしてもらうってわけには……」 上目遣いのサクラと目が合った。艶かしいその表情に、頭がくらくらする。 「悪いとは思うんだけど、途中で止められると、かなりキツい」 生唾を飲み込み、息も絶え絶えに懇願する。するとサクラは竿から口を離し、自らの腰元に手を伸ばす。何をするかと思えば、下着ごと服を脱ぎはじめた。驚いて身を起こすと、その動きを制するようにナルトの上に跨り、竿を己の中に埋めていく。 「はあっ……ん!」 淫らな女の声に、理性がついに飛んだ。 乱暴に尻を掴むと、サクラの中をぐちゃぐちゃにかき回す。触れてもいないのに中は濡れぼそり、自分をどんなに欲していたかを教えてくれた。 「くっそ、一回じゃおさまんねえぞ、これ……」 「別に……あっ!そこっ、やっ!……何度でも、いいからっ!」 「……だから、オレが良くねえんだって!」 激しく突きながら、快楽に歪んだサクラの顔を見上げる。 「身体痛くねえのかよ!」 「抱かれない方が、よっぽど痛いの!」 なんつーこと言いやがんだよ!可愛いじゃねえか! 奥まで突っ込み、角度を変えながら挿入を繰り返す。サクラも気持ち良くしてやりたいが、まるで余裕がない。キスをして、と耳元でねだるサクラの口内に舌をねじ込み、身体を繋げたまま貪る。ぐちぐちと卑猥な音が部屋中に響き、それがまた余計にナルトを昂ぶらせる。 欲を吐き出したところで、燻る火は簡単に消えてはくれなかった。まだ触れていない箇所が多すぎる。Tシャツを床に放り投げると、薄く口を開いて胸にしなだれかかるサクラをベッドに横たえる。 「怪我してんの、どこだっけ」 上着を脱がせると、肩と腹に包帯が巻かれていた。そこに触れないよう、胸の頂に吸い付く。 「背中と……あん、やぁっ!」 歯を軽く当てると、敏感な身体が小さく揺れた。 「あとは?」 「頭の傷は、ん……平気。そこ、もっとして……」 抱え込んだナルトの頭をぐしゃぐしゃにかき乱して、サクラは熱に浮かれさたような声を出す。箍が外れたのは、どうやら自分だけではないらしい。一体何がサクラの欲に火をつけたのか。いつになく乱れきった姿はナルトを狂わせる。こうなってしまえば、快楽を貪るただの獣だ。怪我さえしてなければ、さんざんサクラをよがらせるのに。 「背中か。じゃあ、こっちだな」 膝を立たせると、四つんばいの姿勢を取らせる。太股を伝う液体を手のひらで拭い、指でサクラの中をかき回す。親指の腹で突起を撫で回せば、腕に力が入らなくなったのだろう、上体が頼りなく沈んだ。 「噛むなら、こっち」 自身の二の腕に歯を立てるのを咎め、サクラの口に指を二本差し込む。指を噛むのは躊躇われるようで、その口からは喘ぎ声が漏れ出るようになる。 「あっ、あっ、あっ!やあ……ダメ、きもち……」 「途中で止めんなって。気持ちいいの?」 息を荒げながらそう言うと、膣壁に指を擦り付ける。 「良すぎておかしくなる……」 「もっと気持ち良くしてやっから、中に入らせて」 指を引き抜くと、サクラの腰を掴んで中に分け入る。ひときわ高い嬌声が、頭の芯を貫いた。心の最奥、どこよりも柔らかい場所が甘く痺れる。動物的な衝動と行為だけで、こんな感動が得られるものか。背中に巻かれた包帯に、そっと唇を寄せる。 最初はゆっくり優しく、熱が伝わるように。浅い場所から、少しずつ深いところへ。挿れる角度が変われば感触も変わる。腰を動かすたびに、サクラの吐く息が徐々に荒くなる。無理な姿勢で傷に響かないのだろうか。気遣う言葉を口にしかけるも、他ならぬサクラがそれを遮った。 「お願い、もっと突いて」 サクラは顔を横に振りながら、涙声で懇願する。 「ホントもう、加減できねぇぞ」 「そんなのしないで……」 どこまで煽れば気が済むのか。今日のサクラは、本当にどうかしてる。今すぐ包帯をむしり取って、その傷にすら舌を這わせたい。怪我人に欲情するのは、変態だけ?だったら晴れて自分も変態野郎の仲間入りだ。嗚呼!素晴らしき哉、変態ライフ! 「オレってば、洒落になんねぇぐらい愛しちゃってんのよ、サクラちゃんのこと」 息を乱しながら、ナルトは言葉を吐きだす。 「優しくしてえし、むちゃくちゃ甘やかしてえんだけど……もう限界。今夜一晩だけ、オレの好きにさせて」 サクラの返答は、もはや言葉にならない。 一度、二度と情事を重ねても、欲の火が消えることはなかった。 ※心も身体も弱っている時に優しい言葉をかけられて、相手の全部が欲しくなった。そしたら相手も切羽詰ってて、互いに箍が外れちゃった。そういう感じです。 2011/08/19
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