夢のあとさき



夢のあとさき




(注)多分、結構なエロスだと思うんですが、どうなんだろう。18禁相当ではないかと。あ、ダメだ、と思った方は、リターンプリーズ。ソーソーリー。




「加減、できないかもよ?」
 少しばかり、挑発的な言葉だったと思う。それでも、サクラは平気だとばかりに口付けを寄越してきた。浴槽の渕にかけていた左手を湯の中に入れて、腰元を探る。すべらかな肌は湯の中でも変わらず、手に馴染んでくれた。
「姿勢、辛く、ない?」
 啄ばむような口付けの合間を縫って、サクラを労わる。きっと、身体を捻ったままでは、辛いはず。それは的を得ていたようで、一旦膝を立たせた後、向かい合わせになった。首に両腕が回されると、いよいよ口付けは深くなる。互いの唾液が混ざり合い、息は荒くなる。唇を触れ合うだけよりも、舌を絡めた方が心地良い。それを知るまで、少し時間がかかったが、今では当たり前のようにそうするのだから、不思議なものだとナルトは思う。
 タオルが取り払われた今、素肌がそこにある。だが、浴槽の狭さのせいで、上腕が湯の中に入らない。背中に触れるのがやっとだ。肉付きの薄い背中を指でなぞるのも好きだが、ややもすると物足りなくなる。柔らかな膨らみを求めて、手をするすると下方に移動する。その手つきに、甘い痺れを感じたのだろう、サクラが身を捩る。唇を解放すると、はあ、と息を吐いて、ナルトの左肩に頬を寄せた。
 首筋に吸い付きながら、円を描くように尻を愛撫する。耳の裏を舐めあげると、甲高い声が浴室に響いた。サクラの手が、自身の口元へと伸びる。声を手で抑えようというのだろう。残るもう一方のナルトの手が、細い手首を掴んだ。
「声、凄く響くから……」
「いいよ、大丈夫」
「何が、だいじょ……ふあっ……」
 不意をついて、秘部の割れ目をなぞる。
「聞かせて、お願い」
 こういう言い方に、サクラは弱い。少々卑怯な手だと自覚はしているが、どうしても聞きたい。浴室でこんな甘い声を聞くのは、初めてだから。どんな風に響くのか、確かめてみたかった。
 割れ目の周辺を丹念になぞり、敏感な部分にはわずか触れる程度。ややもすれば、サクラの身体は震えるような反応を示すようになった。ナルトの肩に唇を押し付けているが、声を完全には殺しきれない。その仕草がたまらなく可愛くて、指はさらなる悪戯をけしかける。だが、サクラは身体ごと避けてしまった。
「ここで、これ以上は、ちょっと……」
 俯いてしまったサクラの表情は、わからない。その不安が伝わったのだろう、サクラはぱっと顔を上げて、言葉を探す。
「あのね、そうじゃなくて、」
 迷った素振りを見せた後、ぎゅっとしがみつかれた。
「挿れて欲しくなるから、ダメ」
 その、恥じらいを秘めた細い声は、まったくの逆効果だった。かあっと熱が上がり、頭が真っ白になる。理性が飛んだ。
「ごめん、無理。止まんない」
 避妊のことが頭に残っているだけ、まだマシだった。全部ぶっ飛んでいたら、すぐにでも乱暴に挿入していただろう。
 指で中を掻きまわし、擦り上げ、さんざんによがらせる。もう一方の手でサクラの身体をしっかりと抱えているから、逃げられるはずもない。背中に爪跡が深く刻まれ、耳元からは、悲鳴に近い声が聞こえた。
「ダメだって……言ったのに……」
「サクラちゃんがいけないんだってば」
「何でよ」
 力の入らない身体をずらして、サクラはナルトの顔を覗き込む。
「煽るようなこと言うから。オレ、それまではちゃんと我慢してたのに」
 どうして、あんたがふて腐れるの。
 そんなサクラの胸中を、ナルトが知るはずもなく。湯冷めしちゃうってば、と呟きながらサクラの身体にお湯を掛け続けていた。ナルトの気遣いを受けて、サクラは肩まで湯に浸かる。その顔は何か考え込んでいるようだった。




「オレ、そろそろ湯あたりしそう。なんなら先に上がるけど、サクラちゃんはどうする?」
 サクラは、閉じていた瞼をゆっくりと持ち上げる。
 まるで、その言葉を待っていたかのように。
「ナルト、浴槽に腰掛けて」
「どして?」
「いいから、掛けなさい」
 有無を言わせぬ口調に、ナルトは疑問符を散りばめながらも腰を上げる。
「人のせいにするのはよくないわよね。ついでに、なんか理不尽」
 ぶつぶつと呟きながら、サクラはナルトの腰に巻きつかれたタオルを奪い去る。容赦のないその様子に、抵抗することもできなかった。浴室の灯りに、赤黒い竿が照らされる。
「え?あの、え?え?」
 咄嗟に隠そうとするも、サクラがそれを許さなかった。
「あんたが悪い」
「いっ……!」
 竿全体が、生温かな感触に包まれ、思いがけず声が出る。なんと大胆な、口で施してくれるとは!そう思ったのも、最初のうちだけだった。感触の良さに漏れ出た声が、浴室内に反響する。自分の喘ぎ声、しかもエコー付きを聞くのは、思っていたよりもずっと耐え難い。声を殺すのが、これほど辛いとは。乱れた息すら出したくない。本当ならサクラの顔が見たいのに、声のことを考えるとそれもままならないのだ。そうしている間も、両手と唇、それに舌を器用に使って容赦なく責められる。
 すげえイイのに、すげえツラい。
 声を出したくないがために、息を吐く際、無駄に腹筋を使う。後頭部を浴室の壁に擦りつけて堪えるが、息遣いが荒くなるのは止めようもない。もう、勘弁して欲しい。根を上げようとしたその時、ひどい快感に身体を打たれた。
「う、あ、」
 亀頭を擦られながら、袋の裏側を舌で攻められた。
「サクラちゃ……それ、まずい……」
 手で扱かれるだけでも刺激的だというのに。先走りの汁はすでに溢れ、竿をしとどに汚していた。舌がつっと袋を伝い、門渡りに到達する。これは効いた。そして、とどめとばかりに竿は口内へ。一気に限界へと突き上げられた。
 やべえ、出る。
「ダメだって、く、うあっ!」
 強引に頭を退かそうとするが、許しては貰えなかった。
「あーもう、出ちゃったじゃんか……」
 肩で息をしながら、ナルトは情けない声を出す。吐精後の虚脱感に、背が壁を滑る。
「しかも、飲んでるし」
 眉尻を下げて、サクラの前髪をくしゃりとかき上げる。サクラは悪びれた風もなく、舌を出して見せた。
「無理矢理するのは、ルール違反だったと思う。ごめん」
 再びその身を湯に沈めると、ナルトはサクラの身体をゆるく抱きしめた。
「そんな風にしょげられると、どーしても強く言えなくなるのよね」
 これで許してあげる。
 そう言いたげに、サクラはナルトの首筋に手を回す。
「もっかい、仕切り直し」
 先ほど達したせいだろう、冷たくなった背中を軽く叩いて、サクラはその身をきつく抱き返す。肌の温度が同じになるまで、こうしていればいい。そして、自分の境目がわからなくなるぐらい、キスをしよう。指で、舌で、あますとこなく互いを感じ合えば、隙間はきっと埋まるはず。
 夢の続きは、ベッドの上で。






※テーマは、フェラリーニョを愉快に書こう。嘘。冗談。一応、この子ならどうするだろう?とか考えながら書いてはいるんですよ。そうは思えないだろうけど。なるちょは優しい子だから、無理やりは絶対しないと思うのね(そういう子がガツガツ求めてくるのも、また萌え)。むしろ、天然攻めのスキルを遺憾なく発揮して、相手の了承をちゃんと得る。春野さんは、相手がナルトの場合、やられたらきっちりやり返すタイプに思えてならない。いい組み合わせだと思う。



2008/08/18